雲龍紙×食品業界:衛生的で魅せる包装を実現
雲龍紙(うんりゅうし)は、和紙の中でも特に繊維の流れが美しく、上品で個性的な印象を与える素材です。
和菓子やスイーツの包装、ギフトボックスの外装など、見た目の高級感を演出する紙として注目されています。
しかし、食品業界で実際に使う際には「衛生面」や「機能性」が欠かせません。ここでは、雲龍紙を食品包装に取り入れる際のポイントと、業界での活用例をご紹介します。
雲龍紙が選ばれる理由 ― “自然の美しさ”が商品の価値を高める
雲龍紙の最大の魅力は、紙の中に流れる長い繊維が生み出す、自然で柔らかな表情です。
光にかざすと繊維が透け、手漉き和紙のような温かみと高級感が伝わります。
この“自然な風合い”は、特に食品業界で重宝されます。なぜなら、人工的に見えない素材は「安心感」「丁寧な手仕事」「自然派ブランド」のイメージと非常に相性が良いからです。
たとえば、無添加スイーツや和菓子、ベーカリー、健康食品などでは、商品そのものの品質だけでなく「包み方」からもブランドの価値を伝えることが求められます。
雲龍紙は、そんな“見せる包装”を実現する素材として、多くの現場で選ばれています。
食品用として使う際の課題 ― 直接接触は避ける工夫を
ただし、雲龍紙は一般的に紙素材であるため、食品をそのまま直接包むことは衛生面で推奨されません。
特に油分や水分を含む食品では、紙が吸収してしまったり、変色の原因になったりします。
そのため、食品業界では以下のような工夫を組み合わせるのが一般的です。
- 内側にラミネート加工を施す
もっとも多く採用されている方法が「ラミ加工(ラミネート加工)」です。
雲龍紙の裏面に薄いフィルムを貼ることで、耐水性・耐油性が高まり、食品との接触にも安心して使用できます。
たとえば、和菓子の個包装袋や焼き菓子の包み紙などでは、外側が雲龍紙、内側がラミ加工されたフィルムという構造がよく使われています。これにより、見た目は和紙の風合いを保ちながら、衛生的で実用的な包装が可能になります。
ラミ加工の種類にも、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などがあり、用途に応じて選択できます。商品が油を多く含む場合は、より防油性の高い素材を選ぶことが重要です。 - 耐油紙やグラシン紙との併用
油分が多いパン、焼き菓子、ナッツ類などでは、雲龍紙と耐油紙を重ねて使う方法も効果的です。
たとえば、食品に直接触れる部分は耐油紙で包み、その外側を雲龍紙で覆うことで、見た目と機能を両立させることができます。
透明度のあるグラシン紙と組み合わせれば、商品がうっすら見える「透け感」を活かした上品なパッケージデザインに仕上がります。
このような二重包装は、衛生面での安心感に加え、開けたときの“演出効果”にも優れています。開封の瞬間に雲龍紙の繊維模様が目に入り、丁寧に包まれた印象を強く残します。 - 紙袋・箱・スリーブなど外装への活用
食品に直接触れない部分への利用も、雲龍紙の得意分野です。たとえば、
・焼き菓子の外装袋やスリーブ
・お茶や調味料のギフト箱の外貼り
・高級弁当や仕出しの掛け紙
などに使うことで、商品全体の印象が大きく変わります。
特に、白や生成りの雲龍紙をベースに、箔押しやシルク印刷でロゴを入れると、シンプルながら上質なブランディング効果が得られます。
素材のもつ「柔らかさ」や「光の透け感」は、ほかの包装紙にはない魅力です。機能性だけでなく、デザイン性・演出力を求めるブランドに最適です。
“包む”だけではない、ブランドづくりの素材として
食品包装の世界では、衛生性・効率性が重視されがちですが、最近では「見せる包装」「心が伝わるパッケージ」への関心が高まっています。
雲龍紙は、そうした“感性に訴える素材”として、ブランドづくりの一翼を担う存在です。
素材を工夫すれば、衛生的にも問題なく、十分に実用的な包装を実現できます。
ラミ加工や耐油紙との組み合わせにより、「清潔で美しい」「高級感がありながらナチュラル」という相反する要素を両立できるのが、雲龍紙の大きな強みです。
商品を包むだけでなく、“ブランドの物語を伝える紙”として、雲龍紙はこれからも多くの食品ブランドに選ばれていくでしょう。



